ドキュメンタリー・ニュース系動画の音量調整のやり方｜動画編集スクールFURWA

動画編集初心者向けの記事です。

動画編集における 音量調整（同録・ナレーション・BGM・SE） は、ジャンルによって「伝えたい情報の主役」が変わるため、整え方を知ることがとても重要になります。

そこでこの記事では、

• ドキュメンタリー・ニュース系動画の音量調整の演出上の役割分担（主役・脇役・演出補佐など）
• 同録・ナレーション・BGM・SEの調整ポイント
• 具体的なシーンでの調整のやり方

を紹介します。

自分の作成する「動画のジャンル」や「何を感じてほしいか」に応じて、以下を参考に、想像を膨らませてアレンジしながら、魅力的な動画作りにお役立てください。

※内容は、動画編集講座（Step1.ビデオ編集基礎）の一部を簡潔に記載したものです。
「自分好みの編集テクニックで、動画を魅力的に仕上げる方法を詳細に知りたい」という方は、動画編集スクールFURWA（ふぅわ）の受講をご検討ください。

この記事が良かったら、ブックマークしたり、SNSでみんなにシェアしてください。

動画制作に興味はあるけれど、
「独学で動画編集は、大変そう･･･」
「自分の作る動画にピッタリ合う魅力的な編集テクニックを直伝してほしい」
「疑問や不安が出てきたらすぐにプロに相談したい」そう思ったら、
自分のペース（短期間）でスムーズに、あなた好みのセンスのよい動画を制作できる、動画編集スクールFURWAの受講をおススメします。

動画編集スクールFURWAメディア紹介情報

日テレ:真相報道バンキシャ!　　ニッポン放送:ラジオ ケア・ノート でスクール紹介
BIGLOBE(ﾏｶﾞｼﾞﾝ)SaaiIsara:で受講生の動画編集作品【いつまでも（愛犬動画）】掲載
結婚式情報誌ゼクシィアプリ:結婚式動画制作についてのインタビュー記事連載

※動画編集スクールFURWAでは、受講生に快適にご予約いただけるように人数制限があります。
　完成したい動画の締切日がある方や早く完成させたい方は３ヶ月以上前にはご連絡ください。
（受講期間が３カ月以上取れない場合は早急にご連絡ください･･･動画締切日45日未満から受講料値上がり）
　なお、締切りまでに動画が完成しない可能性がある場合は、受講をお断りすることがあるのでご了承ください。

音量調整の重要性

１．バランスの取れた音量に調整にする意義

ドキュメンタリーやニュースは「事実を正確に伝える」ことが第一目的です。
そのため、音量調整は「信頼性」と「理解度」に直結します。

• ナレーションは情報の骨格であり、常にクリアに聞こえる必要があります。
• 同録（現場音・証言）はリアリティを与えるので、多少のノイズを残して臨場感を伝えることが重要です。
• BGMはあくまで感情を支える補助要素で、強調しすぎると「作られた感」が出てしまい、逆に信頼を損ないます。
• SEは最小限に抑え、視聴者の集中や場面整理を助ける役割に留めます。

つまり「音量の主従関係を明確にし、事実を正しく届けること」が最大の調整目的となります。

動画編集について
・もっと分かりやすく詳しく知りたい
・撮影に関するアイディアや、みんなが夢中になる魅せる動画編集の方法などを聞きたい
・あなた好みの動画にできる、動画制作についてのアドバイスが欲しい
と感じたら、動画編集スクールFURWA（ふぅわ）の体験レッスンへ、お気軽にご参加ください。
※完成したい動画の締切がある場合は、期日の３カ月前にはご相談ください
（受講期間が３カ月以上取れない場合は早急にご連絡ください）
※どんな映像を撮影したほうが良いかや、構図などの相談も体験レッスンでお気軽にご質問ください

---

２．視聴者が求めていること

ドキュメンタリー・ニュースの視聴者は「情報を正確に理解し、現場の空気を感じ取りたい」と望んでいます。

• ナレーション → 雑音やBGMに邪魔されず、情報がスッと頭に入る聞きやすさ。
• 同録（証言・現場音） → 作為を感じさせない自然さとリアリティ。現場の声をそのまま聞きたい。
• BGM → 感情を押し付けすぎない、必要最小限の演出。
• SE → 目立たずに情報整理を助ける程度のアクセント。

視聴者は「ニュースとしての信頼感」「事実に基づく説得力」「現場に立ち会っている感覚」を求めており、それを支えるのが繊細な音量調整です。

---

主役：ナレーション ＋ 同録（取材音・証言）

ドキュメンタリー・ニュース系では「事実を伝える声」と「現場の音」が最大の柱になります。
ナレーションは構成の軸として情報を整理し、同録の証言や現場音は「リアリティ」や「信頼感」を生み出します。この二つをどうバランスさせるかが作品の説得力を左右します。

１．役割と位置づけ

ナレーション
作品全体の流れを整理し、情報を「論理的に」伝える役割を担います。
構成の骨格であり、視聴者が理解を迷わないよう導く案内役になります。

同録（取材音・証言）
現場の声・音をそのまま伝えることで、「事実性」「リアリティ」「臨場感」を生みます。
ドキュメンタリーやニュースにおいては、演出ではなく事実を裏付ける「証拠」として機能します。

両者を組み合わせることで「客観的な情報の整理（ナレーション）」と「主観的なリアリティ（証言・現場音）」が補完し合い、説得力を最大化します。

---

２．調整ポイント

• ナレーションは常にクリアに
  • 音圧を安定させ、周囲の音に埋もれないよう調整。
  • EQで中域をはっきりさせると、ニュース的な「明瞭さ」が強まる。
• 証言・現場音はノイズも活かす
  • 雑踏の音や環境ノイズを完全に消さずに残すことで「現場感」を維持。
  • ただし言葉が聞き取りにくい場合はノイズリダクションを控えめに。
• ナレーションと証言の優先度切り替え
  • 同時に流す場合、ナレーションが主要情報を担うときは証言や環境音を軽く下げる。
  • 逆に証言が感情的に強いシーンではナレーションを一時的に抑えて「声そのもの」を際立たせる。

---

３．具体例

①災害報道

• シーン
  被災地でサイレンが鳴り響く中、住民が避難している様子。ナレーションが状況を説明。
• 調整の工夫
  • ナレーションをもっとも聞き取りやすいように、声がはっきり届くようコンプレッサーで安定化。
  • サイレンや人の声は抑え目に、臨場感は残すが聞き取りを妨げない。
  • 一時的に同録を前に出して「現場の声」を強調したパートの後は、再びナレーションをメインに戻す。
• 視聴者への効果
  「現場の切迫感」を体感しながら、冷静に状況を理解できる。恐怖や緊張感を伴いつつも、混乱せず情報を受け取れる。

---

②社会問題ドキュメンタリー（インタビュー証言）

• シーン
  労働問題の当事者がインタビューで自らの体験を語る場面。
• 調整の工夫
  • インタビュー音声は ナレーションよりも主役扱い にして、声の質感をできる限り自然に残す。
  • 周囲の雑音や環境音は軽く抑えるが、完全には消さず「現場の空気感」を保持。
  • ナレーションは証言と重ならない部分で補足し、声質をあえて落ち着いたトーンにする。
• 視聴者への効果
  証言の「生の声」が強調されることで、当事者のリアリティと説得力が増す。ナレーションが背景を補うことで理解が深まる。

---

③自然ドキュメンタリー

• シーン
  森で鳥がさえずり、動物が動くシーンに、ナレーションが解説を添える。
• 調整の工夫
  • 鳥や動物の声はナレーションの合間に前に出すことで、明瞭に聞かせる。
  • ナレーションが入るときは同録を軽く下げ、声を主役に。
  • 同録にリバーブ感を残し、自然環境の広がりを活かす。
• 視聴者への効果
  「自然の音」と「解説」がバランスよく共存し、映像の没入感と学びの両方を得られる。知的好奇心と臨場感を同時に満たす。

---

④ニュース解説＋現場証言

• シーン
  政治ニュースで現場の会見映像にナレーションを重ねる。
• 調整の工夫
  • 会見の肉声は一時的に主役に切り替え、視聴者が「本人の言葉」を直接聞けるようにする。
  • ナレーションは会見音が終わる直後に入れて、内容を整理・補足。
  • 会見場の雑音は軽く処理して、言葉が鮮明に届くように。
• 視聴者への効果
  「本人の言葉」を信頼感をもって受け止められ、その後の解説で理解が深まる。報道の公平性を感じやすい。

---

４. 視聴者に与える心理的効果

ナレーションの明瞭さ：安心感・理解のしやすさ。専門的な内容や複雑な社会問題でも「整理された情報」として信頼できる。

証言・現場音のリアリティ：「その場にいる感覚」を生み、ニュースの重みや事実性を強調。証言の生々しさは共感や衝撃を引き出す。

両者のバランス：客観と主観、情報と感情の両面から視聴者を引き込み、強い説得力と記憶への定着を実現。

---

脇役：BGM

ドキュメンタリーやニュースでは、BGMは「感情の補佐役」。
メッセージを強調し、映像のトーンを導く役割を持ちますが、誇張しすぎると「演出過多」になり信頼性を損ないます。あくまで抑制的に用いるのが鉄則です。

１．役割と位置づけ

感情の下支え
ドキュメンタリーやニュースでは、BGMは「感情を補強するトーンづけ」。映像や言葉に寄り添い、視聴者の感情を静かに導きます。

情報の補佐
ナレーションや証言が「情報の主体」であるため、BGMはそれを邪魔せず、視聴体験をスムーズにする背景音として機能させます。

信頼性の維持
強調しすぎると「演出に偏った」と感じさせてしまうため、抑制的で透明感のある使い方が基本になります。

---

２．調整ポイント

• 音量は小さめに
  • ナレーション・証言が聞き取りやすいレベルを基準にし、音量は控えめに調整。
  • セリフや音声の「隙間」でわずかに存在を感じさせる程度が理想。
• 帯域の整理
  • 感情的なピークや印象的なシーンでは少し音量を持ち上げて余韻を作る。
  • 情報性が強い場面では極限まで音を抑える、もしくは無音にする判断も効果的。
• 選曲の質感
  • 弦楽器・ピアノ・パッドなど「持続音で空気感を作る楽器」が好まれる。
  • リズムが強い楽曲やメロディの主張が強い曲は避ける。

---

３．具体例

①社会問題を扱う

• シーン
  労働問題や貧困問題など、重たいテーマを伝えるインタビューや街頭映像。
• 調整の工夫
  • ナレーションや証言を邪魔しないように 薄くピアノやストリングス を敷く。
  • 無音にすると冷たすぎる印象になるので、音楽で「人間味」や「共感」を少しだけ補う。
  • 感情が高まる場面では、わずかにボリュームを持ち上げて流れを強調。
• 視聴者への効果
  現実の深刻さを損なわずに、静かに「考えさせられる」雰囲気を作り出す。メッセージの重みを受け止めやすくなる。

---

②感動エピソード（人物ドキュメンタリー）

• シーン
  闘病から回復した人の姿、困難を乗り越えた家族の物語。
• 調整の工夫
  • 穏やかなストリングスやピアノを、ナレーションや本人の声が聞こえるときは小さく抑える。
  • 映像だけで伝える「間」の部分で、音量を少し持ち上げて感動を引き立てる。
  • 余韻を残すようにフェードアウトさせて「心に残る流れ」を演出。
• 視聴者への効果
  感情移入しやすくなり、共感や温かい気持ちが自然に引き出される。涙を誘うシーンでは特に効果的。

---

③ニュース解説

• シーン
  政治・経済ニュースをわかりやすく伝える解説映像。
• 調整の工夫
  • 軽いパーカッションやシンセを使い、リズム感や緊張感を演出。
  • 音量は極小で、ナレーションがすべて明瞭に届くようにする。
  • セクションの切り替え時（例：グラフ→街頭映像）で一瞬だけボリュームを上げ、場面転換を自然に感じさせる。
• 視聴者への効果
  報道の「真面目さ」を崩さず、理解を助けるリズムを提供。情報の流れを途切れさせずに集中力を維持できる。

---

④歴史・文化系ドキュメンタリー

• シーン
  昔の映像資料や文化財紹介をナレーションで解説する場面。
• 調整の工夫
  • 弦楽器や民族楽器を 環境音的に小さく流す。
  • 資料映像や証言の声が中心なので、BGMは「空気感」を保つ役割に徹する。
  • 重要な歴史的瞬間では、ほんの少し音量を強めて「時代の重み」を演出。
• 視聴者への効果
  学術的で堅苦しくなりすぎず、雰囲気に没入しやすくなる。歴史の重厚感を感じさせ、理解と感情の両立を実現。

---

４. 視聴者に与える心理的効果

安心感・受け入れやすさ：音では緊張感が高まりすぎる場面でも、BGMがうっすら流れることで「心地よい視聴環境」が生まれる。

感情の方向付け：静かなピアノなら「悲哀」、暖かいストリングスなら「希望」、低音の持続音なら「不安」といったように、視聴者の感情を自然に誘導。

メッセージの記憶定着：ナレーションや証言に添えられたBGMが余韻を残し、情報が「感情とともに」記憶に残りやすくなる。

---

演出補佐：SE（効果音）

ニュースやドキュメンタリーでは、SEは多用されません。
ただし「場面転換」「映像補足」で控えめに使うことで、情報を整理したり集中を促す効果を持ちます。

１．役割と位置づけ

情報の整理を助けるサイン
ドキュメンタリーやニュースは「言葉」と「映像」が主役であり、SEは必要最小限に使われます。主に「場面転換」や「テロップ挿入」の際に視聴者の注意を誘導する役割になります。

演出感を控えめに補強
ドラマチックに盛り上げるためではなく、視聴体験を整理しやすくする「視覚補助音」です。

信頼性の保持
多用すると「演出過剰」となり、報道性・客観性が損なわれるため、極めて抑制的に用いることがポイントです。

---

２．調整ポイント

• 音量はあくまで控えめに
  • ナレーションや証言の声を邪魔しないよう、小さく短く調整）。
  • 視聴者が「音に気づく」よりも「自然に受け止める」レベルが理想。
• タイミングを厳密に管理
  • 証言やナレーションに重ならない「隙間」に入れる。
  • テロップ登場・画面切り替えに合わせることで、視聴者に「区切り」を感じさせる。
• 質感の選択
  • ニュース → 軽い「ピッ」「シュッ」などシンプルで中立的な音。
  • ドキュメンタリー → 雰囲気に合う「風音」「環境音に近い効果音」。
  • 強いインパクト音（爆発音・派手な打撃音）は原則避ける。

---

３．具体例

①ニュース番組の「トピック切り替え」

• 調整の工夫
  • 軽い「ポン」「チャイム」などを小音量で入れる
  • 1秒以内の短い音にして、情報を遮らないようにする
  • ナレーションやキャスターの声の後に“区切り”として置く
• 視聴者への効果
  • 「次の話題に移った」と直感的に理解できる。
  • 情報が整理され、ニュースがテンポよく進む印象を与える。

---

②ドキュメンタリーでの「インフォグラフィック登場」

• 調整の工夫
  • グラフや数字が表示される瞬間に「シュッ」「グィン」といった短い音を合わせる
  • 音量はBGMよりわずかに強く、ナレーションの下に潜ませる程度
  • SEは映像の動きに合わせ、過剰な反復を避ける
• 視聴者への効果
  • データの登場が視覚だけでなく聴覚でも強調され、理解がスムーズになる。
  • 「情報が整理されている」という安心感を与える。

---

③資料写真や過去映像への切り替え

• 調整の工夫
  • スチール写真 → 「カシャッ」や「フラッシュ音」を軽く挿入
  • 古い映像 → フィルムの「カタカタ音」を演出でごく控えめに入れる場合もある
  • ただし重いテーマ（戦争・災害）では演出が不謹慎に感じられるため、音を完全に排除する判断も必要
• 視聴者への効果
  • 資料映像への切り替えがわかりやすくなり、リズムが生まれる。
  • 過去や記録を扱う重みが自然に伝わる。

---

④場面転換（例：街頭 → スタジオ解説）

• 調整の工夫
  • 画面が切り替わる瞬間に「短いブリッジ音」を加える。
  • 転換が多い番組では音を種類ごとに統一し、視聴者が違和感なく受け取れるようにする。
• 視聴者への効果
  • 異なる場面でも自然に繋がっている印象を与える。
  • 映像の移り変わりが滑らかに感じられ、集中が途切れにくい。

---

⑤ドキュメンタリーの「再現VTRや演出部分」

• 調整の工夫
  • ドアが閉まる、足音、ペンで紙を書く音などを環境音的に補強。
  • 音量は実録の同録音より控えめにして“あくまで再現”であることを示す。
• 視聴者への効果
  • シーンが現実感を持ち、視聴者が状況を想像しやすくなる。
  • 「ここは再現VTRだ」と自然に理解でき、情報整理につながる。

---

４. 視聴者に与える心理的効果

理解の補助：チャプターの切り替えやテロップ出現にSEがあると、視聴者は「情報が切り替わった」と直感的に把握しやすい。

集中力の維持：単調になりがちなニュース映像でも、適切なSEが入ることで注意のリズムが生まれ、最後まで視聴しやすくなる。

信頼性の裏付け：過剰演出を避けつつ最小限の効果音を入れることで、「整理されたプロフェッショナルな番組」という印象を与えられる。

感情の軽い方向づけ：深刻なテーマでは無音、ポジティブなニュースでは軽いSEを加えるなど、トーンを補助的に調整できる。

---

まとめ

ドキュメンタリー・ニュース系は 「ナレーションと現場音（証言）が主役」。
BGMは感情補強の脇役、SEはシーン整理や補足のスパイス程度。
「信頼性を損なわずに臨場感を伝える」ために、音量調整は常に「抑制」と「明瞭さ」を意識するのがポイントです。

上記のやり方を参考に、自分の作成する「動画のジャンル」や「何を感じてほしいか」に応じて、想像を膨らませてアレンジしながら、魅力的な動画作りにお役立てください。

この記事が良かったら、ブックマークしたり、SNSでみんなにシェアしてください。

音量調整が重要な動画のジャンルトップ20｜動画編集スクールFURWA

音量調整（同録・ナレーション・BGM・SE）が重要な動画のジャンルトップ20と、ジャンルごとに同録・ナレーション・BGM・SEの中で主音はどれなのか？、音量調整のポイント、音量調整の重要度を初心者向けに動画編集スクールFURWAが解説します。2025年9月最新

furwa.co.jp

2025.09.11

Favorite