動画編集初心者向けの記事です。
動画編集における「構成の整え方・並び替え」は、視聴者にとっての「わかりやすさ」と「引き込まれやすさ」を大きく左右します。
そこでこの記事では、始めて日が浅い動画編集初心者のための動画編集における「構成の整え方・並び替え」のやり方と具体例と解説、注意ポイントを解説します。
自分の作成する「動画のジャンル」や「何を感じてほしいか」に応じて、以下を参考に、想像を膨らませてアレンジしながら、魅力的な動画作りにお役立てください。
※内容は、動画編集講座（Step1.ビデオ編集基礎）の一部を簡潔に記載したものです。
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構成の整え方と並び替えが重要な理由
１．視聴者の理解を助けるため
構成を整理し、論理的な順序で情報を提示することで、視聴者は内容をスムーズに理解できます。
情報が飛び飛びだったり、時系列や因果関係が不明瞭だと、視聴者は混乱して内容を受け取れません。
良い例
- Before（導入） → After（結果） → How（解説） の順で構成されており、視聴者は「なぜそれが効果的だったのか」を自然に理解できる。
- How-to動画で「①必要な道具 → ②手順 → ③注意点 → ④完成イメージ」の順に整理されている。
悪い例
- 脈絡のない情報が次々に出てくる。視聴者は何について話しているのか分からず離脱。
- 「途中で話が戻る／飛ぶ」「前提が示されない」ため、理解に時間がかかり、動画の価値が下がる。
補足
視聴者は「一度聞き逃すと巻き戻さない人」が多いため、自然な流れで構成されていることが重要です。特にYouTubeやSNSなどスキップしやすい環境では、構成の論理性は命綱です。
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２．最後まで見てもらうため
視聴者が飽きずに動画を視聴し続けるためには、話の流れに引き込まれる構成が必要です。
順序が整っていることで、視聴者は「次に何がくるか」が気になり、視聴維持率が高まります。
良い例
- 「問題提起 → 解決策提示 → 実例 → まとめ」とステップアップして展開されており、視聴者が先を知りたくなる構成になっている。
- 「5つのポイント」などのカウント形式で、視聴者に”ゴール”を見せながら構成している。
悪い例
- 序盤から内容が飛びすぎて「何を言いたいか分からない」→視聴者が途中で離脱。
- 最初から全部を語り尽くしてしまい、中盤以降が冗長で退屈になってしまう。
補足
特にYouTubeなどでは「視聴者維持率」が重要な評価指標になります。良い構成は視聴時間を伸ばすだけでなく、アルゴリズムによるおすすめ表示にも好影響を与えます。
３．伝えたいメッセージが明確になる
構成を整理することで、動画全体を通して伝えたいメッセージや主張がブレなくなり、視聴者にも正確に届きます。
情報の取捨選択と順序によって「何が主で、何が補足か」が明確になります。
良い例
- 動画冒頭で「この動画では○○を伝えます」と明言し、その後の構成がすべてその主題をサポートしている。
- メインメッセージに対して「具体例→データ→ユーザーの声」といった補強材料が順序立てて提示されている。
悪い例
- 本題が二転三転して、結局何が言いたかったのか分からない。
- 無関係な話題が多く、本来伝えるべき主張がぼやけてしまう。
補足
メッセージは“1つだけ”に絞るのが理想です。
構成の整理・並び替えは、その主張を支える筋道をつくる作業とも言えます。
特に広告・PR・教育系コンテンツでは、1本の芯が通っている構成が高く評価されます。
４．編集後のナレーションやテロップの整合性を保つため
動画の構成がしっかり整理されていないと、ナレーションの内容と映像の流れが食い違ったり、テロップが誤解を招いたりします。
先に映像構成を整えることで、ナレーション原稿やテロップの順序・内容も明確になり、一貫性のある仕上がりになります。
良い例
- 構成を決めてからナレーションを収録し、「問題提起→解決策→事例→まとめ」と流れるように進む。
- 映像に対応したテロップを順番通りに配置し、視聴者が内容を追いやすくする。
悪い例
- 構成がバラバラで、ナレーションがあるのに対応する映像がなく、別の内容が流れている。
- テロップが順不同で、前の話と矛盾した情報を表示してしまう。
補足
特に「後付けでナレーションやテロップを入れる編集」では、構成が曖昧だと混乱の原因になります。
視覚と言語が一致しないと、視聴者は違和感を覚え、離脱につながりやすくなります。
５．感情の起伏（ドラマ）を作るため
感情を動かすストーリー展開には「起承転結」や「山と谷」が必要です。
構成を整理・並び替えることで、緩急のある流れや意外性・共感を生み、ドラマチックな演出が可能になります。
良い例
- 「静かな導入→問題の深刻化→希望の兆し→解決と感動のまとめ」と感情の流れを意識した構成。
- 一番インパクトのあるシーンを終盤に持ってくることで、クライマックスとして効果を高める。
悪い例
- 感情の高まりや転換がなく、淡々と情報が並ぶだけで単調な印象。
- クライマックスを序盤に出してしまい、以降の展開が尻すぼみになる。
補足
映像素材を時系列どおりに並べるだけでは、視聴者の感情を動かしにくいです。
ゆえに、ストーリーとして「どう見せたいか」「どこで心を動かしたいか」を意識した構成整理が不可欠です。
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動画構成の整理・並び替えのやり方
Step１．全素材をパートごとにグループ分けする
撮影した映像や収録した素材、画像、音声などを、テーマやシーン、話の流れに応じて分類します。
ストーリー構成や映像の用途に応じて、例えば「導入」「説明」「具体例」「まとめ」といったまとまりで整理します。
作業ポイント
- 事前に動画のジャンルや目的に合った構成パターン
（例：ビジネス動画なら「課題提起→解決策→実例→クロージング」など）を想定しておく - 素材ごとに「これはどのパートに使えそうか？」を意識して、仮でグルーピングする
- 不明な素材や使い道が不明確なカットは「保留素材」として別枠で保持しておくと後で活かせる
例：料理動画であれば「材料紹介のカット」「下ごしらえのカット」「調理手順のカット」「完成・実食カット」などに分類しておく
Step２．パート内での素材を論理順に並べる
グループ分けした素材の中で、視聴者が理解しやすい順番に並び替える作業です。
時間の流れに沿う・手順を追う・因果関係が伝わる、など、論理的な整理が重要になります。
作業ポイント
- 時系列だけではなく「視聴者の理解しやすさ」を優先する
- 必要に応じて、ナレーションの前後やテロップの表示タイミングをイメージして順番を考える
- 迷った場合は2〜3通りの並べ方を試し、仮編集して確認するのも有効
例：DIY解説動画であれば、「材料の準備→工具の説明→組み立て工程→完成品の紹介」という順番で並べることで、視聴者の理解がスムーズになる
Step３．構成の流れを確認・調整する
パートごとに並べた素材を全体を通して見たときに、テンポやバランス、情報量の過不足がないかを確認します。
必要に応じて、パートの順番そのものを入れ替えることもあります。
作業ポイント
- 構成図やタイムラインの「アウトライン」を書き出して、紙やスライドなどで俯瞰して見る
- 視聴者が途中で飽きないよう、興味の引きどころ（山場）や変化（BGMやカメラアングルの違い）を散りばめる
- 導入と結末がつながっているか、目的（何を伝えたいか）に合っているかも再確認する
例：インタビュー動画で、話が最初から重すぎると感じた場合は「印象的なエピソード」→「インタビュイー紹介」→「本題」と順番を変更して、視聴者の興味を引きやすく調整する
Step４．不要な素材を除外・カットする
グループ化・並び替え後に「なくても伝わる」「意味が重複している」素材をカットし、動画のテンポと尺を最適化します。
作業ポイント
- 視聴者目線で「この情報は本当に必要か？」を常に問いながらカットを検討
- 最初から完全に削除せず、使うか迷う素材は別トラックや別フォルダに一時保管しておく
- 編集テンポを保つために、1カットが長すぎる場合は短く分割して調整する
例：商品紹介動画で、同じアングルで同じ説明をしているカットが複数ある場合は、1つだけ残して他は削除する
Step５．必要に応じて構成を再調整する
仮編集後に全体を見返し、「わかりにくい」「間延びしている」「テーマがブレている」などの問題があれば、構成や順番を再調整します。
作業ポイント
- 可能であれば第三者に見せて、客観的なフィードバックをもらう
- 動画の目的（視聴者に何を感じてほしいか・何を行動してほしいか）を再確認して軌道修正する
- 構成変更によって生じた音や映像のギャップも、丁寧に微調整する
例：セミナー動画で「具体例」が早すぎて全体の説得力が弱いと感じた場合、「背景説明→問題提起→解決策→具体例」という構成に入れ替えて、説得力を高める
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構成整理のBefore・After：具体例と解説
「構成整理前」と「構成整理後」の具体例をジャンル別に紹介します。
特に、初心者にも違いが実感しやすいように、「何がどう変わって、なぜ良くなったのか」を解説します。
例１．起承転結で構成整理：企業PR動画（サービス紹介）
Before：構成整理前（よくある流れ）
- 社長の挨拶（3分）
- 社内の様子紹介（2分）
- スタッフインタビュー（3分）
- サービスの説明（2分）
- お問い合わせ情報（1分）
問題点
- 最初の社長挨拶で離脱されやすい（冗長・知らない人の話から始まる）
- サービス内容の説明が遅く、視聴者の関心をつかめない
- 流れが単調で、インパクトがない
After：構成整理後（整理された構成）
- 【起】サービスの要点・ベネフィット（30秒）
「あなたの業務を1/2にする、〇〇クラウドとは？」 - 【承】利用の流れ／具体的な使い方（1分半）
図解・映像で導入のしやすさを説明 - 【転】お客様の声・実績データ・スタッフ紹介（2分）
信頼感や人柄の見えるパート - 【結】社長のビジョンとメッセージ（1分）
「なぜこのサービスを作ったのか」想いを伝える - 問い合わせ情報（15秒）
改善ポイント
- 最初に「視聴者にとっての価値」を提示 → 興味をひきつける
- ストーリーの起承転結が明確で、記憶に残りやすい
- 冗長だった社長の挨拶は「結び」にして、心に残るメッセージに変換
例２．3部構成整理：教育系YouTube（英語学習チャンネル）
Before：構成整理前（よくある流れ）
- 自己紹介・あいさつ（1分）
- 雑談トーク「最近の出来事」（1分半）
- 今日のフレーズ紹介（2分）
- 使い方の説明（1分）
- 閉めトーク（1分）
問題点
- 冒頭の雑談が長く、学習目的の視聴者が離脱しやすい
- フレーズ紹介が唐突で、全体の流れが不明瞭
- まとめが弱く、記憶に残らない
After：構成整理後（整理された構成）
- 【導入】今日のフレーズを先出し＋使用場面の例（30秒）
- 【解説】文法・発音のポイントを簡潔に説明（2分）
- 【まとめ】復習クイズ＋視聴者への質問（1分）
改善ポイント
- 導入で視聴者の「これが学べる！」を明確に提示
- 雑談をカットしてテンポアップ、視聴維持率が向上
- まとめに「クイズ＋問いかけ」で視聴者参加を促進
例３．5部構成整理：キャリア・自己啓発動画
Before：構成整理前（よくある流れ）
- 自己紹介と雑談（2分）
- 仕事で悩んだ体験談（2分）
- 一般的なアドバイス（1分）
- 視聴者への応援メッセージ（1分）
問題点
- 導入が冗長で、「自分に関係ある話なのか」が分からない
- 内容がふわっとしていて、具体的な行動につながらない
- アドバイスに根拠や説得力が不足
After：構成整理後（整理された構成）
- 【問題】「やりたい仕事が分からない」という視聴者の悩みを提示（30秒）
- 【原因】情報が多すぎて選べない／周囲の期待に流されている（1分）
- 【解決策】3つの質問で本音を探る方法を紹介（1分30秒）
- 【実例】視聴者の投稿エピソードや体験談（1分）
- 【行動喚起】今日中にできる“最初の一歩”を明示（30秒）
改善ポイント
- 「問題提起」から始めて、自分ごと化しやすくする
- 解決ステップが整理されていて理解しやすい
- 最後に具体的な行動提案で視聴者の行動につながる
例４．FAQ型構成整理：ガジェットレビュー（初心者向け機材紹介）
Before：構成整理前（よくある流れ）
- 開封（1分30秒）
- スペック紹介（2分）
- 使用シーン紹介（2分）
- 感想・まとめ（1分）
問題点
- 「どんな人向けか」が最初にわからない
- スペックの羅列が続き、印象に残りにくい
- 結局買った方がいいのか？判断材料が不足
After：構成整理後（整理された構成）
- 【質問】Q. 動画初心者に最適なマイクって？（15秒）
- 【回答】「このマイクは“初めてでも安心”な理由3つ」（1分30秒）
- 【使用シーン】屋内・屋外撮影のテスト（1分）
- 【まとめ】価格・特徴・どんな人に向いているか（1分）
改善ポイント
- Q&A形式で情報の受け取りがラクになり、理解が早まる
- 初心者が知りたいポイントだけに絞ることで、離脱を防止
- 結論を早めに出すことで、判断しやすい構成に
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構成の整理・並び替えにおける注意点
１．「視聴者目線」で整理する
編集者の主観で「順番を変えればスムーズ」と思っても、視聴者にとっては分かりづらい場合があります。
自己満足の構成にならないように注意が必要です。
注意ポイント
- ターゲットに合った専門用語か？（専門用語が難しい場合は解説か言い換えが必要）
- 話の流れが自分本位になっていないか？
- 初めて見る人にも分かりやすい順序なっているか？
- 見る側の理解度や感情の流れを想像して構成されているか？
２．「削除」と「並べ替え」の目的を混同しない
素材の削除（不要部分のカット）と、構成順の調整（並べ替え）は似て非なる作業です。
順番だけで済む素材も、削除すべきと思い込んでカットしてしまうと、重要な情報が抜け落ちるリスクがあります。
注意ポイント
- 「伝えるべき情報」か「削っていい冗長な部分」かを区別する
- 削除前と削除後を見比べて有り無しを確認する
- 並び替えてみて「流れが良くなる」なら削除せずに活かす
３．「構成案」にとらわれすぎず、現場の素材に合わせる
事前に決めた構成通りに編集しようとしすぎると、実際の素材の魅力やリアルな流れを殺してしまうことがあります。
素材の中にある「想定外の良さ」に柔軟に対応することが重要です。
注意ポイント
- 思わぬリアクションや自然な流れが出ている場面は活かす
- 構成案は「指針」であって、「絶対」ではない
- 素材を見直しながら、より良い順番を試す柔軟性を持つ
４．「時間軸」にこだわりすぎない
特にドキュメント・取材・Vlog系などは、撮影順＝編集順とは限りません。
時間軸に沿って並べた結果、冗長で退屈な流れになることも。
注意ポイント
- 時系列順を守ることが目的ではなく、「伝わる順番」にすることが目的
- 感情の高まり・理解のしやすさを優先する
- 回想風・フラッシュバック的な構成も選択肢にする
５．「重複」「矛盾」「話の飛び」を見逃さない
素材を並び替えていくと、同じ内容を別カットで繰り返したり、話が前後して食い違ったりすることがあります。
視聴者はそうした「小さな違和感」に敏感です。
注意ポイント
- セリフや説明が「2回出ていないか」チェックする
- 前後のカットで言っていることが矛盾していないか確認
- 脈絡なくジャンプする場面がないか注意深く見る
６．「並べ替え後の確認」を必ず行う
並び替えた直後は、頭の中で「理解できている」状態なので気付きにくいですが、実際に通して見るとテンポや流れに問題があることもあります。
注意ポイント
- 編集ソフト上で「頭から通して再生」してみる
- ナレーションやBGMが入る前の段階でも仮チェックをする
- できれば第三者（チームメンバーなど）にも見てもらい、客観的意見をもらう
まとめ
構成整理は、「何を伝えるか」よりも「どう伝えるか」の核心です。
並び順を変えるだけで、同じ素材でも見え方・感じ方・伝わり方がまったく変わります。
だからこそ、編集＝構成の再設計とも言えるほど重要な工程です。
上記のやり方を参考に、自分の作成する「動画のジャンル」や「何を感じてほしいか」に応じて、想像を膨らませてアレンジしながら、魅力的な動画作りにお役立てください。
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※レッスンの特長：丸暗記NG！動画編集のコツをつかんで、自分好みに楽しく応用（わからないところは何度でも気軽に質問OK）
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